吐く息に「のっかる」のが出来ていない合唱が多い。そもそも「のっかれる」ブレスが出来てない。
— よこたんのメモ帳 (@utautai_soprano) July 4, 2017
某有名指揮者K山先生の指揮は、なによりもその点がすごい。
拍をとったり表現を誘導したりするのも指揮だけど、器楽的な側面で適切な音が出るブレスをさせることが出来る指揮者は貴重。 #合唱
…と、そんなことを考えていた昨日でした。
まだその理由とかを分析することも全然出来なかった学生の頃(二十歳くらいだったかな?)、その先生のお弟子さんにセミナーだかなんだかの飲みの席で「どうしてあんな声が出せるんでしょうね?」って探りを入れたことがありましたが、「だから凄いんでしょ!(今さら何いってんの風に←私感)」って返されました。
…企業秘密……?
K山先生の指揮は、音が入る前の腕の動き…というか、全身の動きでもって合唱歌手の吸気をものすっごい適切に誘導するんですよね。
そして、「あとは吐く息にのっかって歌うだけ」の身体のポジションをとれる。
んでもって、音になる前の動きもまた「突っ込まない」から、きちんと「響きにのって」歌えるんです。
声楽をある程度勉強してから「器楽的に適切な動きがなんなのか?」を認識出来るようになりましたが、この段階になるまでも私自身がだいぶかかりました。
普通のアマチュア合唱団は、とにかく吸気の段階で準備が出来ていないことがとても多いです。
そして、吐く息もスピードが早すぎることがまたとても多いです。
リコーダーにめっちゃ強く息を吹きこむと「ピィーーーー!!」ってなりますが、あそこまでひどくないにせよ似たような感じです。
よく「腹式呼吸」っていいますが、身体がひらいてないまま一生懸命「お腹」を膨らませていても効果はいまひとつで…。
でも、自分で身体をひらいて歌える人ってアマチュア合唱団だとそもそもそうそういないので、そこは指揮者にもっと「適切に吸わせてあげる」技術があってもいいのかなと思います。
ビートだけ刻んで「はいどーぞ」じゃなくて。
教育学部で王道の「指揮法教程」をつかっての指揮法の授業も受けましたが、そもそも音が出てからのテクニックはたくさんのってるんですけど、「どうやって器楽的に適切な音を出させるか?」は無いんですよね。それは専ら、個人の技量をあげていく作業…ボイトレとかに任されていて。
でも、個人の技量であるはずの部分ですら指揮によってだいぶ引き上げることが可能となれば、やはり方法はあるということですよね。
企業秘密じゃなくて、声という楽器をより効果的に扱えるよう導くような指揮法が、もっともっと音楽指導に携わる人にも浸透していけばいいなぁと思ったのでありました。